使い捨て社会に警鐘 〜 リペア・カフェ

この秋に我が家の電子レンジが壊れた。グリルは使えるがレンジが使えない。ベルリンに住みだした頃から使っているから、もう6年くらい使っている。このレンジが壊れたときに、いよいよ電子レンジなしの生活に突入しようかどうかさんざん悩んだ。

レンジとしては主に冷凍したご飯を温めるのと、カフェラテ用に牛乳を温めるくらいしか使ってないが、グリルでワッフルをちょっと温めたりと、トースター代わりにも使っていた。電磁波調理は気持ち悪いのでほとんどしない。電磁波の健康影響の可能性だけでは手放す決め手に欠ける。うちには炊飯器がないので余ったご飯はチャーハンか冷凍庫ゆき。それだけのためでもやっぱり持っておくと便利。でもほんとはレンジのない生活がしたい。グリルとしてはまだ使 えるけれど、場所をとる割にグリルだけというのは不本意。

などと、どうでもいいような迷いを3ヶ月ほど続け、結局は年末に買いなおしたのでした。

迷ってた時に耳にしたのが、「Herrengarten(公園)で壊れたものを持ち寄ってみんなで修理する集まりがあるらしい」という情報。なんだそれは?面白そうだけど、リサイクル業者の思惑?なんかあやしい。レンジを自転車に積んでえっちらおっちら持っていくのを想像するだけでちょっと面白かったが、結局はクリスマス前の慌ただしさと子育てにかまけて、忘れてしまったのだった。

それが今日、ダルムシュタットにリペア・カフェ誕生という記事を読んだ。

リペア・カフェとはもともとオランダで始まった取り組みで、どこの家にも転がっていそうな壊れた家具や電化製品、衣類など、もう捨てるしかなさそうなものを人々が持ち寄って知恵や腕を借りて直しちゃいましょう、そのための場作りを地域でやりましょう、というもの。使い捨て文化に警鐘を鳴らすのが表向きですが、このことでコミュニティの力を強めていこうというのがその背後にあるもの。実はご近所にいろんなノウハウを持った人がいて、助け合えるかもしれない。直し方を教わって今度からは自分で直せるかもしれない。自分には直す技能はないけれど、お礼にケーキを焼いてくることはできる、とか。おしゃべりが弾んで別の場面でも付き合いが始まるかもしれない。2009年にアムステルダムで始まって以来、ヨーロッパ各国やアメリカにムーブメントが広がっていているそうです。日本でも始まるといいですね。

http://repaircafe.org/

ダルムシュタットでは2つの地域でこのリペア・カフェが始まっています。主催は大学講師と学生から成るグループで、色々と新しいアイディアも加わりそうです。今度、壊れたレンジ持ち込んでみようかな。

ちなみにドイツでもいろんな街で始まっているこのリペア・カフェ、たとえばベルリンでも移民の多い旧東側地域にしかなかったり、ビジネスの街フランクフルトでは行われてなかったりと、なんとなーくその地域の特色も映しているようで面白い。豊かでも忙しいひとたちは、直して使うよりやっぱり捨てて新しいのを買いがちなのでしょうか?本当はそういうところでこそ、こうした取り組みが広がったらいいんですけどね。

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